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輪島塗の強さと長年続いた手入れの歴史。報恩講を今年も無事に勤められました。

天候が心配されておりましたが、無事に報恩講をおつとめすることができました。

今回は土曜日に開催したことではじめて参られた方や、お孫さんを連れてのお参りを頂いた方が数名おられましたので、案内の仕方や開催の仕方を工夫すればもっと賑々しく法要をつとめられる可能性があることを感じました。

正信偈をおつとめ

報恩講は親鸞聖人のご命日にちなんで、仏法にであわせていただく大事な法要です。

お勤めでは親鸞聖人の書かれた「正信偈」をおつとめいたしました。

お寺の法要ではつとめあいという仕組みがありますので、自分が主役となってお勤めするのではなく、檀那寺となるお寺のご住職を導師にお招きして法要を勤めます。

四幅の御絵伝

この報恩講をつとめるときにだけ、右余間に四幅の御絵伝(ごえでん)をかけます。

もともとは親鸞聖人のひ孫である覚如という方がかかれた絵巻物で、言葉で説明を書かれた部分と絵で描かれた部分があります。

その絵巻物の絵の部分だけを抜き出して、掛け軸の形にまとめたものが御絵伝です。

これには親鸞聖人の一生がダイジェスト版となって絵にまとめられていて、右下からスタートして、左上まで順番にみていくと親鸞聖人がどのような人生を歩まれたのかがわかるようになっています。

登場人物がいろいろ描かれているので、はじめは「え?どれが親鸞聖人??」ってなると思いますが、聖人の人生を学ぶと「ああ、あのシーンね。」ってわかるようになります。

解説をききながら見て頂くとよりおもしろいですよ。

これは報恩講の日だけ余間にかけておりますので、ご覧になりたい方はまた来年の報恩講にぜひお参りください。

ご法話の時間

本日は奈良県より脇屋尚道師をお迎えし、ご法話をしていただきました。

阿弥陀様のお姿を紹介し、そのお姿には仏さまのどのような心が表れているのか、ということを優しい語り口調でお話くださいました。

お斎(とき)の準備

ご講師の先生がお話いただいている間に、厨房ではお斎の最終調理と準備が行われております。

▼ごまの白あえ

▼大根とニンジンのなます

▼煮炊きの必要なものは前日から仕込んでおります。

▼輪島塗の器に盛りつけていきます。

大広間でお斎(おとき)を頂きます

法要終了後、お参りくださった方々に振る舞われます。

春秋の永代経や夏のお盆の法要ではうどんですが、この報恩講では精進料理を用意しております。

ご講師の脇屋先生にも一緒に召し上がっていただきました。

漆器の片付け

みなさんにお斎(おとき)を召し上がって頂いた後は、お膳の漆器を片付けます。

1年に1度この報恩講の法要の時だけ使うので、しっかりと汚れを落としてからしまわなければいたんでしまいます。

食器用洗剤とお湯で汚れを落としたあと、順番にタオルを持ってならび、バケツリレー方式で湿気が残らないよう拭き上げていきます。

このとき直接手で食器に触れないように注意。

▼今回は初めてお参りいただいたかたに、お寺の仕事体験としてお手伝いをしていただきました。

今使っている輪島塗のお膳は50年以上使われています。

多少漆がはげているところや傷みはありますが、まだまだ使える状態がキープされています。

漆の食器はそれだけ長い年数使えるということとともに、毎年毎年法要のたびにこの作業をかかさず続けてきたということですね。

新しくご協力してもらえる方が増えていかないと、こういうのも続けていくことができないので努力したいところ。

お磨きをふくめ、法要のお手伝いをしていただける善照寺のサポーターは随時募集中です(笑

▼きれいに磨き終えたら食器の間にティッシュを挟んで、袋詰め。

▼また1年お休みいただきます。

▼袋のくたびれ感が歴史を感じさせますね。

そんなこんなで、みなさまのご協力をいただき今年の法要も無事に勤めることができました。

また来年もこの時期に報恩講をおつとめいたしますので、どうぞお参り頂ければと思います。