【浄土真宗】お仏壇にお供えする「ろうそく」の話。灯明から学ぶ2つの味わい。

お仏壇に御供えするロウソクを灯明(とうみょう)といいます。

お参りする前に火をつけますが、あれにはどんな意味があるのでしょう?

今日は灯明のにはどんな意味がありどんな教えがあるのかを書きたいと思います。

仏前の灯明から学ぶ

灯明の「火」がもつ性質からは、2つの意味が味わえると言えるでしょう。

1.「熱」という性質

普通の感覚だと、「煩悩を捨てて功徳を積む」ということが大事だと思います。しかし浄土真宗の味わいはちょっと違うんですね。

「罪障功徳(ざいしょうくどく)の体となる こおりとみずのごとくにて こおりおおきにみずおおし さわりおおきに徳おおし」 高僧和讃

この和讃では「煩悩」「さとり」の関係は、「氷」「水」のようなものだと教えられています。

氷が溶けたら水が得られるように、「煩悩(氷)」があるからこそ、そこに気づきがあれば「よろこびの心(水)」が得られるのだという言い方です。

出家して世俗から離れて歩む道ではなく、煩悩を持ちながら普通の人生を送る中で、よろこびの心で生きる生き方へと転じていく道が示されるということですね。

しかし、煩悩の氷は放っておいたら溶けるってもんじゃないのです。

仏の教えに出会って「我が身を知る」、「自分の身のあり方に気づかされる」ということがあって初めて少し溶けて、水を得られるそんな氷です。

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「ありの〜ままで〜♫」という歌がありましたが、「ありのまま」に生きることは「わがまま」に生きることではありません。

自分を中心にしたものの見方や、経済中心のものの見方で「ありのまま」を取り違えて煩悩のまま「わがまま」に生きる人間に気づきを与え、氷を溶かさせるものが、仏の教え・はたらきなのでしょう。

灯明のもつ「熱」はその煩悩の氷を溶かす、仏さまの教えや慈悲の温かさの表現と味わいたいものです。

2.「光」という性質

曇鸞大師の「論註」という書物の中に、こういったたとえ話があります。

  たとへば千歳の闇室に、光もししばらく至れば、すなはち明朗なるがごとし。

闇、あに室にあること千歳にして去らじといふことを得んや。(教行信証・信巻 『浄土論註』引用文

–訳–
たとえば千年もの間、一度も光の入ったことのない闇に閉ざされた部屋があったとします。この部屋に少しでも光が入れば、たちまちに闇は破られ明るくなります。1000年もの間闇に閉ざされていたからといって、その暗闇が光を遮ることはありません。同じように、迷いの闇は真実の光にであうことによって、その闇が妨げとならずたちまちに破られるのです。

暗室の暗闇は、私達がいかに人間の存在ということについて本当のことを知らないかということを示しています。

このご文は1000年間闇の部屋にいたとしても、1本のろうそくを灯せばぱっと明るくなるように、どれだけ無知・無明の迷いの中にいても本当の智慧・光にであえば即座に目が覚めるのだということをたとえています。

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仏教では光は常に「智慧」を表し、物事の姿を照らし出しはっきり見えるようにする、という性質を持っています。

光に出逢うというのは、言い換えたら仏の教え・智慧に出会う事で「迷い」「無知」「無明」という煩悩にまみれた闇の状態にいる自分の姿がはっきりわかるということです。

灯明の「光」は私の煩悩をはっきりさせる仏さまのはたらきと味わえるといえるでしょう。

灯明の2つの味わい

この2つの智慧のはたらきを仏前の荘厳(しょうごん)(おかざり)としてあらわしているのがお灯明です。

何気なく自分で火をつけている灯明ですが、その灯った火の姿からはこのような2つの味わいができるということを、仏前にお参りするときに思い出して頂けたらうれしく思います。

真宗興正派のろうそく

使用するろうそくは棒形の和ろうそくを用います。

  • 朱蝋(しゅろう・赤いろうそく)年忌法要・報恩講など
  • 白蝋(はくろう・白いろうそく)一般の法要・朱蝋がないとき
  • 金蝋(きんろう・朱蝋で代用可)結婚式・慶事
  • 銀蝋(ぎんろう・白蝋で代用可)通夜・葬儀・告別式
注意!!
和ロウソクは芯が太く、火を消したつもりでも中が燃えていて再発火することがあります。

使用後はしっかりと水につけて消火されたことを十分に確認してください。

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合掌

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このブログを書いている人

真宗興正派善照寺というお寺の住職をつとめながら、一方ではフットバッグというスポーツで4年連続日本一を継続中。

真面目なお寺の仕事からステージでのパフォーマンスまで、幅広い活動を通して学んだことをわかりやすくお届けしていきたいと思っています。

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