【弁護士監修】自分で書く自筆証書遺言の書き方と遺言を無効にしないためのポイント

遺言について

こんにちは、お坊さんブロガーのへんも(@henmority)です。

遺言書には(特別なものを除き)3つの種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)があり、その中でも一番手軽に書ける遺言書が自筆証書遺言です。

本記事では弁護士監修のもと自筆証書遺言の書き方と気をつけるポイントをまとめています。

(記事協力・監修:田中和也法律事務所

自筆証書遺言とは

遺言者が遺言の全文・日付・氏名手書きで自書・捺印した遺言書のことです。

遺言書に書かれていることは法定相続よりも優先されるため、財産の分配について故人の意思を反映させやすくなります。

ポイントを図にまとめると以下の通りです。

▼自筆証書遺言を書く時の一例と注意すべきポイントをまとめました。
自筆証書遺言のポイント

▼自筆証書遺言の保管のしかた。
自筆証書遺言の保管のしかた

では詳しく自筆証書遺言について説明していきます。

自筆証書遺言のメリットとデメリット

自筆証書遺言は手軽に書けるというというメリットがありますが、ルールにのっとっていない遺言は無効となってしまいます。

自筆証書遺言のメリット

自筆証書遺言を選ぶメリットは遺言を書く人にとって手軽であるという点です。

いつでも自由にかける

紙とペンと印鑑さえあればいつでも書けるのが自筆証書遺言です。

紙の指定は特にないので、書式や要件を満たしていればチラシの裏やメモ帳でもかまいません。

ただ、家族にあてる大事な書面ですからある程度きれいな便箋などの紙を用意して書いたほうがいいでしょう。

万年筆やボールペンなど他者に改ざんされない筆記用具を使って書きましょう。

手続きや費用がいらない

遺言を書く段階では特に費用はかかりません。

内容を秘密にできる

書いたあと自宅で保管すれば内容を誰かに知られることもありません。

2020年7月10日以降は法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる新制度がはじまります。

何度でも書き直せる

自筆証書遺言は何度書き直してもOKです。

1通目を書いたあと、数年たって気が変わったり財産の状態が変わることもありますよね。

遺言書が複数ある場合は日付の新しい最新のものが有効となります。

破棄もカンタン

遺言を取りやめたい場合は遺言書を破って捨てればOK。

カンタンに破棄できます。

自筆証書遺言のデメリット

自筆証書遺言を利用した場合には以下のようなデメリットが考えられるので正しい対応をすることが大切です。

2020年7月10日からはじまる、法務局における自筆証書遺言の保管制度を利用すれば、これらのデメリットのかなりの部分が解消できます。

ねつ造や偽造のトラブルが起きることもある

自筆証書遺言はカンタンに書ける分、ねつ造や偽造されることもあります。

他人に隠匿・破棄される危険性がある

遺言書を隠匿されたり、破棄されてしまう危険性があります。

書式を間違えると無効になる

書式の間違っている自筆証書遺言は無効となります。

このあと説明する自筆証書遺言の書き方にならって、正確に書きましょう。

財産目録以外はすべて手書き

自筆証書遺言はすべて手書きの必要があります。

パソコンやワープロ、タイプライターなどは使えません。

本人が手書きしたもの以外の遺言は無効となります。

裁判所の検認手続きが必要

自筆証書遺言は勝手に開封してはいけません

遺言書を勝手に開封すると法律違反(民法第1004条1項、3項)となります。

遺言を託す家族にも家庭裁判所で検認をうけて開封する必要があることを伝えておきましょう。

誰も遺言書に気づかないことがある

自宅で遺言書を保管した場合、家族がその遺言の存在を知らずに相続手続きをしてしまうことがあります。

遺言書があること保管場所を信頼できる家族に伝えておきましょう。

自筆証書遺言作成のポイント

自筆証書遺言を作る時には以下のポイントに注意して書きましょう。

遺言を書くこと自体は難しくありませんが、要件を満たしていない場合は無効となります。

自筆証書遺言作成のポイント
  1. すべて手書きで自書する
  2. 日付を書く
  3. 署名・押印する
  4. 遺言内容を具体的に書く
  5. 遺言執行者を指定しておく
  6. 訂正や加筆はルールを守る
  7. 封印や保管方法に気をつける
  8. 財産目録について
  9. その他気をつけること
自筆証書遺言のポイント

1.すべて手書きで自書する

遺言書はすべて本人が手書きで自書する必要があります。

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。(民法968条1項

代筆、パソコンでの作成、動画、音声データなどはすべて遺言としては無効となります。

2.日付を書く

日付を明確に手書きで書きましょう。

日付のスタンプを押すのは無効です。

令和○年○月吉日なども無効となります。

3.署名・押印する

名前は本人が明確に特定できるものであればペンネームや芸名・雅号などを使用することも可能です。

ただ、紛らわしいことも多いため基本的には戸籍の表記を用いましょう

どうしてもペンネームなどを使いたい場合は「ペンネーム(本名・戸籍の名前)」のように併記するとよりわかりやすくなります。

押印は認印・拇印なども有効ではありますが、できれば実印を使いましょう。

相続人のあいだで他人が押印して遺言を偽造した疑いがでたり、遺言書の効力が争われることがあります。

そんな時に実印が押されている遺言の方が本人の書いたものであると判断される可能性が高くなります。

4.遺言内容を具体的に書く

遺言の記載内容はできるだけ具体的に書きましょう。

「不動産全部」とか「〜にまかせる」「〜にお願いする」「〜に一任する」など曖昧な表現を使うとその解釈をめぐって大きなトラブルとなります。

内容は具体的に書く
  • 不動産は登記簿謄本通りに。
  • 土地は地番・地目・地積など詳細に。
  • 建物は所在・家屋番号・種類・構造・延べ床面積など詳細に。
  • 銀行口座は銀行名・支店名・預金種類・口座番号などを明記。
  • 人名を正確に書く。
  • 譲りたい人に「まかせる」ではなく「相続させる」と書く。

5.遺言執行者を指定しておく

遺言執行者は遺言書に書かれた内容を実行してもらう人のことです。

遺言執行者が決まっていないと、銀行口座からお金を引きだすだけでも相続人全員の署名押印が必要になります。

遺言執行者が決まっていれば、相続の総責任者として手続きをスムーズに行うことができます。

長男など家族の代表者を指定してもいいですが、遺言の内容に納得しない相続人がいると執行者が矢面に立たされることになります。

感情的なトラブルを避けるために、遺言執行者を弁護士などにお願いするのも安心できるひとつの方法です。

6.訂正や加筆のルールを守る

自筆証書遺言を訂正・加筆するときにも明確なルールがあります。

遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。(民法968条3項

遺言者本人が訂正場所を指定、署名・押印が必要となり、訂正方法が間違っていると遺言は無効になります。

正直、新しく書き直した方がいいですね。

7.封印や保管方法に気をつける

遺言の保管や封の有無は法律には規定されていません。

しかし、偽造されていない本人の遺言である効力を高めるために封筒に入れて封印をしましょう。

自宅に保管する場合、家族が確実に発見できる場所に保管しましょう。

貸金庫などを利用するのも良い方法です。

2020年7月10日からは法務局で自筆証書遺言の保管をしてもらうことが可能になります。

法務局で保管してもらう場合は法務省令で定める様式に従って作成し、封をせずに提出することになります。

法務局で保管した遺言は開封時に家庭裁判所の検認は必要ありません。

自筆証書遺言の保管のしかた

8.財産目録について

遺言書に財産目録をつける場合、平成31年1月13日以降はパソコンでの財産目録作成も可能となりました。

預金通帳の写しや登記事項証明書を財産目録の一部としても添付することができます。

手書きしていない財産目録(パソコン作成のものや写しの添付など)が複数ページにわたる場合はすべてのページに署名・押印が必要です。

9.その他気をつけること

遺産分割には遺留分という相続人の権利があります。

例えば「長男○○には1円も相続させない」と遺言を書き、その遺言が有効であったとします。

遺言通りに長男に分割される財産は0円となりますが、その後長男は法定相続する財産の2分の1までは遺留分として他の相続人に請求することができます。

遺産の分割内容を考えるときには遺留分も考慮して内容を考えましょう。

自筆証書遺言の書き方まとめ

以上のことに気をつければ自筆証書遺言を自分で作成することができます。

もし遺言をより確実なものにしたいなら専門職(弁護士・司法書士・行政書士など)に相談するか、公正証書遺言を使うことも検討しましょう。

公正証書遺言は作成に費用がかかりますが、自筆証書遺言に比べて法的な効力が圧倒的に高い遺言をのこすことができます。

家族間のトラブルを避けたり、絶対に遺言どおりに執行してもらいたいなら公正証書遺言にしましょう。

※公正証書遺言の作り方は後日公開予定

(記事協力・監修:田中和也法律事務所









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2017年11月12日

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