先日、地域の婦人会からひとつの依頼を頂きました。
それは「講師」という仕事。
お寺での法話という形ではありません。
「実際の活動や生き方を中心に、聞いた人が元気になるようなお話をしてください」ということで、はじめて「講師」というお仕事をさせていただきました。
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初の講師という仕事
今回のご依頼は、ぼくがどんな事を考えて活動をしているのか?ということが話の中心になりそうだったので、ひとつ講演テーマを決めました。
それは、「枠にとらわれない生き方」ということ。
このブログの過去の記事を読んで下さっている方の多くは、ぼくの活動は「住職」とか「お坊さん」というイメージの枠にはおさまらないことでしょう。
世間体とか、人の目とか、昔はこうだった、などといった固定概念にとらわれず、自分のやるべき事をやるという事についてお話させて頂きました。
三原貴嗣の活動
お話の中でもいくつか紹介しましたが
- お坊さんとして法事やお葬式、お勤めや布教にいくこと。
- お寺という場所のメリットを生かした運営すること。
- フットバッグを使ったパフォーマーとしての活動。
- ブロガー
- いろいろデザインを作ったりする。
など、実際に現在進行形でおこなっている活動をいくつか紹介させて頂きました。
お寺という場所をどのように生かしているのかはこちらに活動履歴がまとめてあります。
あわせて読んで頂けると嬉しいです。
このようなジャンルを超えた活動は一見すべてバラバラの活動のように見えるかもしれません。
そして「お寺の住職」と聞いてイメージされる活動とはほど遠いものでしょう。
ジャンルもやっている事もバラバラですが、これらの仕事はぼく自身の感覚としてはどれも矛盾せず成り立っているのです。
自分の使命をはっきりさせること
ぼくが人生をかけてやるべきだと思っているのは、浄土真宗という教えを世に伝えるということ。
そして、そのために基盤となる善照寺というお寺が次世代にも伝わるように運営するという2点です。
お寺という場所にうまれ、どういうわけか縁あって触れた浄土真宗の教え。
宗教というと
なんてイメージを持っている方もおられるかもしれません。
ですが浄土真宗の教えは、科学的かつ論理的に人間のもつ性質を非常によくおさえていると感じます。
自分の願いを叶えるために責任を放棄して御利益を期待するというような甘さもないし、自分の人生に対してちゃんと自分が引き受けていきなさいよというクールな教えでもあります。
ノマド的節約術でインタビュー取材をして頂いたときにもこたえましたが、浄土真宗の教えはおおざっぱに言うと
「人生を完全燃焼させて、頂いた命を生ききること。」
これに尽きると思います。
この教えを伝えるために、自分の能力を整理してできることをすべて有効活用しようとしているのです。
▼道服を脱いでフットバッグも少しだけ紹介。
自分のできること・できないことを整理しよう
苦手な方面や、条件があわずできないことを無理して頑張る必要はないんですよね。
これは個人の能力という意味でもそうですし、法人の運営なども同じ事です。
たとえばお寺の運営について。
うちのお寺は交通のアクセスがいいところにありますが、お寺によっては到達するだけでも大変な、外界からは離れた山の中にあるようなお寺もあります。
同じお寺という場所ではありますが、そのとりまく条件が違うと、同じ努力をしても成果があがるということはありません。
山の中にあるお寺だったら、その外界と遮断された非日常感を武器として、そこに行かなければ味わえないものを提案する方が現実的です。
山の中の空気感とか特別感はうちのお寺では再現できないことですから。
ですから、自分のおかれた状況や持っているものを整理して、使えるものを有効に使うことが重要です。
整理するだけじゃなくチャレンジも
そしてある程度「できることの整理」ができたら、次はできることを増やしていくのも大事です。
2年前からはじめたウクレレも持っていき、一期一会を弾かせて頂きました。
1曲だけ弾くつもりがアンコールを頂いてしまったので、ウクレレのソロ曲を弾くだけではなく今回は歌も初披露。
▼緊張で声が震えてしまったけれども、これも道具として使いこなせるようになりたい。
今手元に持っている「すでにできること」だけでなく、無理矢理にでも人前で恥をかき、自分自身を成長させることも重要なのです。
「お前が言うな」にならないように
人間何が腹が立つって、やってもない人が偉そうにいうことなんですよね。
ですから、ぼく自身が生き方を実践できていない状態で、
なんて言っても説得力はゼロ。
やはり自分自身がその通りの生き方を姿でみせる事が一番大事です。
そしてそれに感化されて「私もそんな風に生きたい」とか「浄土真宗の教えってちょっと興味でたわ。」なんて思ってくれる方がでてくればいいなと思っています。
人生の先輩へのお願い
そして、お話を聞いて下さった方はおそらく自分よりも人生の先輩ばかり。
ですから、最後には人生の後輩から先輩へのお願いということで1点お話をさせて頂きました。
お坊さんという立場上、お参りにまわらせてもらって年配の方とお話する機会がたくさんあります。
その中で、「年をとったらなんちゃええことない。」とか、「年をとったら何にもおもしろくない。」なんて言葉を時々耳にするんですが、これをできることなら口に出さないようにして欲しいということを申し上げました。
後ろに続く若い者は人生の先輩の生き様というものを見ています。
先に体験している方から年をとったらおもしろくないなんて聞かされたら、あとに続くものは安心して年をとることができません。
不平不満、人の悪口、根拠のない噂話ばかりで盛り上がったりするのではなく、人は年をとるとともに成熟するものだということ姿で見せて欲しいと思うのです。
年をとるというのは人生に深みが出ること
1冊の本を読むにしても、こどもの時はこどもの立場だけで読むでしょう。
親になったらこどもの立場と親の立場で読み取れるようになります。
そしておじいちゃんおばあちゃんになったら、こども、親、祖父母その3つの視点で物語を読むことができます。
そのように、年をとるということは人生に深みがでるということだということを生き方で見せて欲しいと思うのです。
あとに続く者が「あんな年のとり方をしたい。」と思えるような、そんな先輩の姿を見せてくださいというお願いを申し上げて講演を終了しました。
講師を終えて
依頼を頂いた時に、「初めてのことでできるかどうかわからないけどとりあえず引き受けて、期限までになんとかする。」ということの連続が自分を育てる最強の方法だなと改めて思いました。
何歳になってもチャレンジはできるもの。
これからも機会をいただけるのであればどんどん飛び込んでいきたいと思うことであります。
参考文献
そうそう、人前で何か話す機会がある方はこの本がめちゃめちゃ参考になります。
はじめて人前で話をする時に、どんな風に話を組み立てるのか気をつけておくべき点が非常にわかりやすくまとまっています。
その手がかりをおさえておくだけでもスピーチの質が一気に高くなります。
会社でのプレゼン、学校の先生、研究の発表など、ジャンルを問わず、人前で話すということをする前には絶対に読んでおくべき本の1冊。
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