高松中央高校で「失敗のとらえ方」というテーマで講演したよ!

こんにちは、お坊さんブロガーのへんも(@henmority)です。

先日、ご依頼をいただいて高松中央高校で講演をする機会をいただきました。

学生さんの前でお話するのは初めての経験で、ぼく自身にとっても大事な学びの時間となりました。

内容を何度も確認しながら学校に向かうあいだ、ずっと緊張しっぱなしでしたね。

▼体育館に案内されるとこんな感じで、すごくドキドキしました。

今回は1年生・2年生が参加されたそう。

少しでも話の中から何か感じ取ってもらえたら嬉しいです。

講演で話した内容を抜粋して記事にまとめてみました。

高松中央高校での講演

講演の前に、学校を訪れて感じたことを少しお話しました。

導入・高校にあるおしゃれイス

▼高松中央高校って高松の中心地にあってとてもきれいな建物なんですよ。

商店街やラウンドワンなども近くにあって、学生時代にいろいろ遊べる場所が近くにあるのは楽しいでしょうね。

校舎の中に入らせてもらうと、事務室の前に置いてあったとあるイスが目にとまりました

▼この木でできたイス。

▼無造作に置かれていましたが、これはまぎれもなくデンマークの建築家でデザイナーのアルネ・ヤコブセンがデザインした名作イス・セブンチェア

へんも「こんないいイスが生徒も普通に使える場所においてあるってステキですね〜」

という話をしてたら、

先生「食堂のイスも全部これですよ。」

って。

▼食堂も見せてもらうと、すごい・・・セブンチェアがいっぱい並んでる・・・・!

このセブンチェアって実はすごいイスなんですよ。

まずデザイン。

セブンチェアはどこに置いても絵になるイスなんですよね。

コンクリート打ちっ放しみたいな部屋に置くのもちろんかっこいいし、和室においてもかっこいいし、美術館でもカフェでもどこにあっても絵になるデザインなんです。

そして座り心地も素晴らしい

絶妙なカーブと木のしなりで、木のイスなのに柔らかさがあります。

もうひとつ大事な点が収納の面でもすぐれていること

美術館やカフェでもかっこいいといいましたが、たくさんの人が使う空間ではたくさんのイスが必要です。

並べておいておくだけならいろいろとデザインの幅は広がりますが、使わない時にはイスの収納を考えないといけません。

セブンチェアは重ねて収納できるという点でもすぐれています。

デザイン・座り心地・収納性の高さからこのセブンチェアは世界で700万脚以上売れてるそうです。

しかも驚くべきことに、このイスのデザインは64年前にデザインされたということ。

現代は世の中の変化のスピードも早くて、1年前のものなんてもう古くて使えないって感覚になるものもありますよね。

そんななか64年も前(1955年)にデザインされたイスが現代でも最先端にかっこいいってすごいことです。

1脚あたり6万円ぐらいはするので、自分で手に入れようとすると結構がんばらないといけませんね。

こういうものが学校の中で生徒が使える場所に用意されてるのはすばらしいことです。

本物に触れることが大事だということを生徒に伝えたいという学校の姿勢がこういうところにもあらわれてるんだなと感じました。

知識が増えると世界の見え方が変わる

で、こんなイスの話をして何が言いたいかというと、知識が増えると世界の見え方が変わるんだよということなんです。

このイスは生徒の皆さんも毎日目にして使っているけど、特別気にとめたことはないと思うんですよね。

当たり前のように使って、そこらへんのイスと同じように見えていた

でも、このイスがどういうものなのか知識を得るとちょっと景色の見え方が変わるんです。

この講演が終わったあと、あのイスにちょっと座ってみようかなとか、詳しく見てみようかな、調べてみようかなと思った生徒さんもいるかもしれませんね。

環境は何一つ変わっていなくても、知識が増えると世界の見え方が変わるわけです。

学校の先生も生徒のことを考えていろいろ教えてくださっていることでしょう。

しかし、毎日のことになると飽きがくることもあります。

なので、外部の人を招いて新しい知識に触れる機会を作るのは成長のために大事なことなんですよ。という話をしました。

自己紹介

講演では自己紹介させてもらいましたがブログではあっさりと。

自己紹介

お寺の活動ややってることを紹介させてもらって、この3つのやってることがかみ合って#僧衣でできるもんというところにつながりましたという話をしました。

▼スーツだけどちょっとだけフットバッグも実演。

本題「失敗のとらえ方」

高校生のみなさんも、小学生ぐらいからやり直したいなと考えたことはありませんか?

小学生の自分だったら超えられなかった課題も、高校生の自分だったら余裕で解決できちゃう、みたいな。

それは大人になっても同じように感じるんですよね。

現在私は37歳ですが、自分が今持っている知識や経験をもって高校生にもどったとしたら、相当うまく人生を歩んでいけると思うんですよね。

過去に戻って宝くじを当てる、みたいな話ではないですよ。

うまく人生を歩めるというのは、未来に起こることを知っているからうまくいくという意味ではありません。

高校生の時と比べて、物事の取り組み方や挑み方がわかるようになったのでうまくやれるということです。

そういう観点で、今自分が身につけて良かったなと思うことの中から、高校生の頃の自分に伝えておきたいことを選んで講演テーマを決めました。

それが、「失敗のとらえ方」です。

▼本当はほかにもいっぱい言いたいことあったんですが、うるさいおじさんと思われるのも辛いので1個にしました。

今回の講演で覚えて帰ってもらうことも1つだけに絞りました。

それがこれ。

覚えてほしいこと

失敗は感情的に振り返ってはダメ!!

「分析的」に振り返ろう!!

落ち込みから回復しても成長はしていない

例えば、テストで思ったような点がとれなかった時。

思ったような結果がでないと辛いし、気が滅入りますよね。

友達と話したり、ゲームしたり、遊びに行ったりして気分転換をすると思います。

そうこうしていると、人間には忘れるという能力があるのであれほどショックだった辛い気持ちもいつしか薄れていきます。

で、一応元の精神状態にもどるんですね。

これで失敗を乗り越えたと考えると大間違いなんです。

失敗した時に、落ち込んで、また気分がもとにもどったら失敗を乗り越えたと考えているかもしれませんが、それは良くない失敗の受け止め方です。

気分が元に戻っただけで、なにひとつ成長はしていないんですよ。

気分転換はその名の通り、気分が転換するだけなんですよね。

何が原因で失敗が起こったのかを理解していないので、もう一度同じ失敗をしてしまいます。

失敗するたびに自己否定してしまう

また、感情的に失敗を振り返るクセがつくと、失敗するたびに落ち込んじゃうんですよね。

そういった落ち込みを繰り返すと、「何をやっても俺はだめなやつだ・・・」というように考えてしまって、どんどん人生がつまらなくなっていきます。

挑戦することができなくなる

失敗を感情的に振り返る人は挑戦することができなくなります。

新しい挑戦には失敗はつきものです。

通常、新しいことに取り組むときにミスをしないで目的を達成するのはとても難しいことです。

失敗があって当たり前なのですが、感情的に失敗を受け止める人は失敗するごとにどんどん打ちのめされていくんですよ。

すると失敗をできるだけ避けたくなります。

失敗するたびに、やっぱり自分はできないんだ・・・と思って、だんだん挑戦すること自体が嫌になっていきます。

成功には理由が無いこともあるが、失敗には絶対に理由がある

成功する時には理由がないことも多いんです。

自分がしっかり努力することで実を結ぶ場合ももちろんあります。

でもそれ以外になんとなくタイミングが良かったり、ラッキーだったり、競っている相手が失敗したり、明確な理由がなく成功していまうことも多いんです。

しかし、失敗が起こった時は絶対に原因がどこかにあります

成功までのルートを阻害している原因がどこかにあるので、分析・追求することが大事なんです。

何が、どうダメなのか。

これをはっきりさせることが良い失敗の向き合い方なんです。

失敗を分析的に振り返ることができる人は失敗はただのデータとして考えられるんですよね。

「このやり方ではうまくいかない」とか、「この方法は適していない」ということがわかる。

それだけです。

失敗が人生の価値を下げるのではなくて、その失敗を失敗として分析せず終わらせていることが価値を下げるのです。

うまくいっているように見える人は、失敗は起こるものとして、それを分析して改善しながら進んでいける人なのです。

とはいっても失敗は辛い

と、理屈ではわかるのですが、理屈どおりに感情をコントロールするのは難しいわけです。

感情的に振り返ってはいけないとはいっても、やっぱりミスしたら辛いんですよ。

頭ではわかっていても、嫌な気持ちになります。

落ち込みます。

そんなときに僕自信も実践している気持ちの解消の仕方を紹介しておきますね。

それは、今起こってる辛い状況は映画の序盤みたいなもんだと思うようにすること。

なんの映画でもトラブルとかいろいろ起こるじゃないですか。

それをどうにかこうにか工夫して、解決していくところにストーリーの面白さがあるんですよね。

ワンピースなんかでもそうでしょ?

「海賊王に俺はなる!」

って海にでても、波は穏やかで嵐のひとつもない海を航海してすんなり宝にたどりつく話ではおもしろいストーリーにならないんですよね。

失敗やトラブルが起こったら、その分析をしっかりやって原因を突き止めてうまくいくまで継続することが大事です。

うまくいかないなら、場所を変える、やり方を変える、つきあう人をかえるなど、具体的に何か方法を変えてトライを続けることが大事です。

終わりに

昔、公共広告機構のCM作品の中に、すごく心に残ったものがありました。

▼公式のアカウントに動画がなかったのでとりあえずこれで。

失敗やトラブルが起こった時にそこでストーリーを終わらせてしまったら、その先にあるおもしろみや成功体験は味わうことができないんですよ。

「お話はこれからなのに!」

ってこう考えられたら、次の挑戦に向かうことができます。

これからの人生ではいろんなトラブルや失敗をしてしまうことがあるでしょう。

でも、人生の物語は最後まで読まないとわかりません。

失敗をきちんと分析して乗り越えて、あの失敗があったからこそ今の私があるんだと言えるような、そんな生き方をしていけたらいいですね。

と、そんなお話をさせていただきました。

おしまい。