先日紹介した言葉のゲーム。
前の記事を読んでないかたは、先にこの「自分の選択や決断を疑うことの重要性。ゲームを通して考えよう。」を読んでから今日の記事を読み進めてくださいね。
相手の経験やイメージに依存するので100%成功するとは限りませんが、かなり高い確率でこちらの選ばせたい言葉に誘導することができます。
魔術師の選択のタネあかし
このゲームは8つの選択肢から1つを選ぶという作業を繰り返していくのですが、ここには目に見えない論理の力が働いています。
選択肢
- 質問1「フットサル・法事・ディスコ・LED・回転・エジソン・スパイク・あんこ」
- 質問2「電球・川・サッカーボール・学校・まんじゅう・木炭・ミラーボール・くじら」
- 質問3「きつい・にぶい・狭い・明るい・ゆるい・黒い・鋭い・丸い」
- 質問4「たたみ・ブラインド・谷・バイオリン・本・くつ・太陽・かまきり」
質問1
まず質問1では8つの単語からひとつ選びます。
これはどれを選んで頂いてもかまいません。
質問2
質問2では質問1で選んだ言葉と関係の深い単語を選んでもらいます。
ですが、実はこの段階で選択肢は4択になっています。
- 「フットサル」「スパイク」を選んだ人は「サッカーボール」に。
- 「LED」と「エジソン」を選んだ人は「電球」に。
- 「回転」と「ディスコ」を選んだ人は「ミラーボール」に。
- 「法事」と「あんこ」を選んだ人は「まんじゅう」に。
残りの4つの単語はダミーになっていて、上記の選択肢に誘導されるという構造になっています。
「川・学校・木炭・くじら」はダミーです。
質問3
そして質問3ではその4択から2択にしぼられます。
「サッカーボール」「まんじゅう」は「丸い」
「電球」と「ミラーボール」は「明るい」に。人によっては「丸い」とイメージしても問題ありません。
残り6つの単語はダミーになっています。
質問4
「明るい」「丸い」から連想する質問4では「太陽」1択となり、のこり7つの選択肢「たたみ・ブラインド・谷・バイオリン・本・くつ・かまきり」がダミーとなります。
ですから、こんなブログに書きっぱなしの状態でもこの問題に取り組んだ人はかなり高い確率で「太陽」に誘導されるということになるのです。
まとめ
▼これは公平な8択を4回繰り返すゲームではなく、どんどんこちらの狙いに沿って選択肢はせばめられているのです。
ひっかからないようにするには問題にそもそも取り組まない、もしくは個人的なイメージでこたえていくということでしょうか。
世の中には自分でいろんなことを決めてきた、自分の力で選んできた、ということに自信をもつことが推奨される風潮がありますが、そう強く思いこんでいる時ほど周りが見えてない危険な状態かもしれません。
こんな仕組みがあって、気づかぬうちに利用されていることもあるんだということを知っておくだけでも、自分の選択を客観視する視点がもてるのではないかと思って紹介したわけです。
魔術師の選択の作り方
一応ゲームとして作る作り方も書いておきます。
オリジナルな問題をつくるのもおもしろいかもしれませんね。
まず選ばせたい単語を1つ決めます。
今回は最終的に「太陽」という単語に誘導して選ばせようとしてみました。
問題を作るときは、質問の逆順に構成を考える方がわかりやすいと思います。
Point1.設問3は形容詞に。
質問3は形容詞にすると問題が作りやすいと思います。
この太陽を表す言葉を、状態の形容詞「明るい」と形状でイメージする「丸い」を選ぶように仕向けます。こうすることで質問2が作りやすくなります。
Point2.設問2の言葉は使われる場所や性質がなるべく違うものを。
質問2では「丸い」に誘導する言葉を2つ「明るい」に続く言葉を2つ計4つの選択肢を作り、それ以外はダミーにします。
ですから「サッカーボール」「ミラーボール」「電球」「まんじゅう」という言葉と使いました。
「丸い」もしくは「明るい」に分類されるけど、それぞれが使われる状況は違うものを選ぶと関連性が見抜かれにくいでしょう。
Point3.ダミーの言葉こそよく考えよう。
ダミーの言葉は相手に選ばせたい正規ルートのイメージからはなれた言葉を選んでおくほうが誘導の精度が高まります。
途中でダミーの言葉を選ばれてしまうと、最終的に導きたい言葉には到達しません。
ですので、ダミーの言葉こそ気を使って、関連性が結びつかない言葉を選ぶと成功率が高くなります。
では改めて問題を見てみますと
1.この8つの言葉の中から好きな言葉を1つ選んで頭に強く思い浮かべてください。
- フットサル
- 法事
- ディスコ
- LED
- 回転
- エジソン
- スパイク
- あんこ
選んで頂きましたか?では次に進みましょう。
2.1で選んだ言葉といちばん「関係が深い」と思う言葉をこの中から選んで下さい。
- 電球
- 川
- サッカーボール
- 学校
- まんじゅう
- 木炭
- ミラーボール
- くじら
1で選んだ言葉をしっかりイメージして選んでくださいね。
3.2で選んだ言葉にぴったりくると思う言葉を下からひとつ選んでください。
- きつい
- にぶい
- 狭い
- 明るい
- ゆるい
- 黒い
- 鋭い
- 丸い
選んでいただきましたか?
4.3で選んだ言葉から連想するものをこの8つの言葉の中から選んでください。
- たたみ
- ブラインド
- 谷
- バイオリン
- 本
- くつ
- 太陽
- かまきり
と、こうなるわけです。
悪用するのはダメですが、レクリエーションや話題づくりに使うのはおもしろいかもしれませんね。
みなさんもオリジナルの問題を作ってみて下さい!以上「魔術師の選択」でした!