「融通」ということばの奥深さ。生き方の指針とするべし。

ぼくの好きな言葉であり、人生の中で大切にしているのが「融通」という言葉。

本日は「融通」という言葉をテーマにとりあげて書きたいと思います。

融通

一般的に使われるこの「融通」という言葉。

この言葉について深く考えたことがある人はあまりおられないかもしれませんが、ぼくはこの言葉がむっちゃ好きなんですよ。

辞書でひいてみますと、

とどこおりなく通じること。転じて、必要に応じて自在に処理すること。ゆずう。「―のきかない石頭」「―自在」

引用goo辞書

と書かれています。

とどこおりなく通じる、つまり状況に応じて柔軟に対応し、問題を解決できることを指します。

すごく軽やかでスマートな印象ですよね。

逆に、例に書かれている「融通のきかない石頭」ってあまりポジティブな言葉では使われません。

マニュアル通りの応対しかしてくれなかったり、状況に応じた対応をしてもらえない時、「この石頭!」と思ってモヤモヤしたものが残るわけです。

つまり固く、頑固で、柔軟性のないことは問題を解決するのにデメリットが多いのです。

固いという漢字

この石頭ってのは石に例えられるように「固い」わけですね。

この「固い」というのは良く出来た漢字です。

漢字の中に「古い」という漢字が入っていますが、この世のものは古くなると固くなるわけです。

人間もそのひとつ。

子供の頃は素直だったのに、年を重ねるとともに頭も体も心も柔軟性を失っていくんですね。

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▼古くなると新しい情報を取り入れることができなくなります。
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▼もちろん人の話も素直に聞くことができません。
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壁をつくって周りからの情報を取り入れず、どんどん囲っていくと・・・

▼頭がカチカチに「固い」石あたマンのできあがり!!
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人の話も聞けないし、自分が変わることもできない。

こうなる「融通」ということとは離れたものとなっているんですね。

同じひとつの事を続けていくことは美徳とされますし、たまたま勝ちパターンにたまたまハマればとてもいい結果を残すこともありますが、外れたときは潰しがききません。

実は変化していける方が生きのこる力は高いんですね。

何かの神事や儀式などを除いて、ほとんどのものごとは時代とともに変化し、その状況に対応してきたものばかり。

その中で適応性が高く長期間耐えたものが伝統として残るわけです。

ひとつのことに固執して何百年も同じ状態で残っているものの方がおそらく少ないでしょう。

融通とは川の流れのように

水の流れは実に自然に、物理法則に従って流れていきます。

俺はここを流れたいんじゃ〜!といって流れる川はありません。

岩があったら避け、落差があったら滝となり、時には支流を作って、すがた形をかえながら進んでいきます。

そういう軽やかな生き方を「融通」というんですね。

ひとところに留まった水は腐ってしまうんですよ。

そして大きな「固い」岩よりも川の流れの力が最終的には勝ってしまうんですよね。

▼あんな広大なグランドキャニオンだって、川の浸食でできているのです。
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融通は仏教用語

そしてこの「融通」は実は仏教用語なのです。

別々のものが、混じり合い、溶けあい、1つとなる。

私とあなた、比較や差別を超えて等しく相まっていくことを意味します。

四字熟語で言うと「融通無碍(ゆうづうむげ)」といいますね。

滞りがなく、考えや行動に差別やこだわりがなく、何者にもとらわれなく自由であることをいいます。

「やわらかな心」だったら年をとって古くなっても固くならないんですね。

「石あたマン」にならないように、柔軟に軽やかに年をとっていきましょう。

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