「お坊さんって人の相談とか悩みを聞いたりすることが多いと思うんですが、話を聞くときにどんな事を気をつけていますか?」
先日、ノマド的節約術の松本さんと話をしているときにこんな質問を頂きました。
自分の話を聞いてもらえるってこんなにありがたいことなんだーって、改めて思いました。
普段、人の話ばっかり聞いてて、話す側になることがないから、よりありがたみがわかったかもです。
自分が聞き手になるときにも意識したいこと。
— 松本 博樹 (@peter0906) September 20, 2017
悩みを聞いたり、いろいろな相談を受けたりというのもお坊さんの大切な仕事。
そこでぼくが話を聞くときに気を付けているポイントを3つ紹介します。
タップできる目次
1.まずは黙って聞く
人の相談を聞いていると、すぐに問題点や解決策がわかってしまうことがあります。
そうなると、すぐに具体的な解決策とか意見とかを言いたくなってしまうんですよね。
しかし、それはやってはいけません。
相手が相談内容を全部話し終えるまで「うん、うん」と聞くということが大事です。
人から見るとたいしたことがないと思う問題であっても、本人は重く受け止めていることもあります。
それを悩みの大小や、解決までの難易度でこちらが判別するのではなく、相談者が話を終えるまでひとまず全部聞くということ。
これ大事。
2.話の要約を相手に伝える
相手の話を聞いて、大体大枠が掴めたら一度話をまとめます。
「それは〇〇が〇〇で、〇〇な状態ということですか?」
と自分の理解したことを言葉に直して、こちらの理解があっているかどうか相談者に確認します。
ここで理解が間違っていたら訂正してもらいましょう。
わからない点や、はっきりさせておくべきことがあれば質問をしてもいいですね。
この時もまだ自分の意見や提案はしてはいけません。
この確認によって、聞き手がちゃんと話を聞いているということが相談者に伝わります。
いくら「うん、うん」と聞いていても、聞き流しているだけだと相談の甲斐がないですからね。
この確認する内容が的確であればあるほど信用度が高くなります。
情報をまとめることで、相談者に「自分の話をきちんと聞いてくれてるんだ!」ということがすごく伝わるわけです。
3. 相手に理解しやすい「たとえ」を使って理解を共有する
相談者と相談内容の確認ができると、その状況を別のたとえで表現してみます。
漫画の話であったり、仕事のことだったり、できるだけ相談者との共通項になる「たとえ」を選びたいですね。
例えば、相談者がブロガーだったらブログ運営に使う言葉で
とか
相手がマンガ好きな人だったら、
とか。
相談者が悩んでいるトラブルの関係性を共通理解できる別のものから引っ張ってきて説明すると、どこが問題なのか客観視しやすくなります。
たとえ話ができるということは問題の本質がわかっているということですし、実感としてわかりやすくなります。
たとえ話を共有すると、相談者自身もここが問題だということを自分で気づけることも多いですね。
そして何より自分の悩みをきちんと理解してくれたということが伝わることで、問題自体は解決していなくても心の安定にはつながるようです。
相談を受けるときの話の聞き方まとめ
ここで3つの項目を紹介しましたが、一番大事なのは「口を挟まず聞く」ということですね。
- 途中でこちらの意見や解決策で口を挟まないようにする。
- 適切な質問をして、情報を整理し共有する。
- たとえ話でより肌感覚に近い理解を共有する。
その後、相談者に求められたら解決策や意見を話すというぐらいがちょうどいいですね。
自分が誰かに相談をする時のことを考えると、自分の話を落ち着いて聞いてくれるだけでも認められたように感じて心地良いものです。
物事は逆に考えるとよくわかりますが、人の話をまったく聞かない人とは仲良くなりたいとは思いませんもんね。
聞き上手は人間関係がスムーズになることはもちろん、問題の要点を見抜く力が高まります。
良かったら参考にしてみてくださいね。