こんにちは、お香好きのお坊さんブロガーへんも(@henmority)です。
香木の中でも、特に有名なのが白檀という香木です。
白檀はお線香によく使われる材料ですので、香りはわからなくても名前は耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
お香やアロマが好きな方はサンダルウッドという名前を聞いた事があるかもしれませんね。
白檀は英語でサンダルウッドといいます。
ほかにもサンスクリット語ではチャンダンといいます。
白檀はウッディな甘い香りとさわやかさが特徴です。
本記事では、白檀がどんなお香なのか詳しくご紹介します!
白檀とは
白檀とはビャクダン科の熱帯性の常緑樹で、木そのものが香りを放つ香木の一種です。
白檀の原木の角材。とても甘い香りがします。
この白檀を刻んで粉末状にしたものをお線香や抹香、塗香の原料として使います。
白檀を使ったオススメのお香
お線香のパッケージには「白檀の香り」と書かれたものがたくさんあります。
しかし、実際には本物の白檀を原料に使っているのではなく、合成香料のサンタロームが使われたお香も数多く存在します。
価格があまりに安いのに「白檀の香り」と書いているお香はほとんどが合成香料ですね。
香木だけを使った商品の方が高品質で香りもいいので、おすすめの白檀のお香を2つを紹介します。
香木千聚 白檀
白檀を使ったお香でおすすめなのがこちら。
山田松香木店の香木千聚の白檀。
箱をあけた時の香りは白檀の原木の香りそのもの。
白檀のお香は甘ったるい香りのものもありますが、この香木千聚の白檀は火をつけた香りは甘みが抑えられていてとてもスッキリした香りです。
お香が消えたあとの部屋に残る香りが原木の香りに近く、とても品質が高い印象をうけます。
風韻 白檀
もう少し手頃なお線香だと風韻の白檀もいいですね。
軽い甘さで価格もお手頃です。
いいお香は空間を上質なものにしてくれます。
心の落ち着きや集中力を高めるのにもお香は有用なのでお気に入りのお香を探してみてくださいね。
白檀の刻み
白檀そのものの香りを知りたいなら老山白檀の刻10gなどを利用するのが一番安くて手軽な方法です。
白檀は植物に含まれる精油成分が香るので常温でも香りがはっきりでます。
焼香用の抹香としてもよくつかわれますね。
乱獲で白檀の数が少なくなり価格が高騰してきていますが、よく比較される香木沈香よりは値段も若干安めです。
白檀のオイル
サンダルウッドというアロマオイルはこの白檀の木から抽出したものです。
アロマテラピーの世界でも白檀のオイルは重宝されていますね。
白檀の産地は?
白檀のとれる産地はいくつかありますが、一番品質の高い物はインドの南部にあるマイソール地方でとれるもの。
マイソール地方でとれた白檀には老山白檀(ろうざんびゃくだん)という名前がつきます。
しかし、老山白檀は乱獲・盗伐によって木の数が大幅に少なくなり希少価値が高まり仕入れ価格も高騰しています。
また、インドでは紙たばこの中に白檀が使われることもあって、インド国内での消費量を確保するため輸出に制限がかかっているという事情もあるようです。
現在はインドからだけでなくいろんな産地から白檀が輸入されていて、産地によって香りが違います。
インド産出の白檀が最高級で、オーストラリア、ハワイなどは香りが薄く品質としては落ちるといわれます。
白檀の生え方
日本で白檀に触れるときは焼香用の刻んだものやお香になったものがほとんどなので生の白檀を見ることはほとんどありませんよね。
白檀はその生え方がおもしろいんですよ。
白檀は半寄生植物といわれ、他の植物の栄養を奪いながら大きくなるという植物なんです。
光合成をして栄養も作るのですが、寄生する植物の栄養がないと成長できないんです。
まるで吸血鬼のような植物ですね。
▼ポットの段階でも宿主になる植物と一緒に植えていて、白檀が根をからませて栄養をとれる状態にしています。(オーストラリアの白檀プランテーションsantanolより)
▼プランテーションで育てるときにも、白檀と栄養の元になる植物を交互に植えてるんですね。
白檀は雄株と雌株が別れていて、両方の株が近くにないと受粉して種子がとれません。
- 寄生する植物が必要
- 雄雌両方の株が必要
このように生育条件が難しい上、高値で取引→乱伐・盗伐といった悪循環で質の良い白檀の数はどんどん減っています。
白檀が使われる工芸品
白檀は常温でも香りを発するため、数珠や仏像をはじめ扇子などの工芸品にも多く利用されます。
使っているうちに表面の香りはとんで薄くなりますが、白檀の数珠は2年ぐらいは香りが楽しめますね。
現代ではとれないレベルの高品質の老山白檀で作られたお不動さま。
木の油分が表面に浮き出てくるぐらい濃い白檀で作られていて、香りを聞いてみると今まで味わったことのない重厚な白檀の香りでした。
本物の白檀と偽物の見分け方
白檀も高値で取引される香木のため偽物の商品が多く出回っています。
偽物は白檀に似た木の表面に白檀のオイルや合成香料を塗って香りをつけたもので作られることが多いようです。
沈香は加熱しないと香りがでませんが、白檀は常温でも香りがひろがりますので、直接香りを嗅いだ時の香りの強さで判別するのは難しいですね。
白檀は本物も偽物も年数がたつと香りはだんだん薄くなっていきます。
偽物の場合は香りがなくなったらそれで終わりです。
- 熱いお湯を絞った布で表面を拭くと香りがでる。
- 熱すると香りがでる。
数珠や扇子などの工芸品の場合、本物の白檀なら熱いお湯を固く絞った布巾で拭いてやると香りが復活します。
偽物は香料がとれて香りが薄くなります。
筆者がインドで買った白檀の数珠の話
2008年に仏跡をめぐる旅にインドへ行ったことがあるんです。
インドの仏跡周辺では菩提樹や白檀の数珠がいたるところで売られていました。
とにかく、めっちゃすごい圧力で売りにくるんですよ。
記念にもなるし。
と思ってガイドさんにどこで数珠を買うのがいいか聞いてみると
ミチバタデ カッチャダメ!
って言って、数珠の専門店みたいなところに連れていってくれました。
コレハ ホンモノ!!
マチガイナイ!
そんなことを言われて買った白檀の数珠がこちら。
このガイドさんから沈香を買ってだまされたということが発覚したので、こっちも偽物だったら許さぬ!
と、思いながら本物かどうかチェックするお湯を固く絞った布で拭いてみました。
おお!ちゃんと香りが強くなった!
白檀の数珠は本物のようでした。
よかったよかった。
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など