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書評「いいお坊さんひどいお坊さん」

みなさんのおつきあいのあるお坊さんはいいお坊さんですか?悪いお坊さんですか?

いや〜タイトルには裏切られました。

実に良い方向に。

「いいお坊さん ひどいお坊さん」

主観的かつ著者の個人的実体験として「お坊さん」とか「お寺」というものについて意見を述べた本かな??と思うようなこのタイトル。

お坊さんとしてはどういう評価が「いいお坊さん」で、どういう評価が「ひどいお坊さん」なのかちょっと気になるわけですよ。

ぼくはお坊さんの立場に立って読みますから、「一般の人」にはわからんお寺社会での常識とか感覚があるのに、そういうの無視で一方的に批判されるんやろな〜とか思って読むわけですね。

どんな勝手なことが書かれているのかと読んでみたら、もう全然そんな陳腐な内容じゃないんです。

本当に裏切られました。

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一般人とお坊さんのズレ

一般人が普通にお坊さんにもつイメージや宗教観や、お坊さんやお寺がかかえている運営上の問題。

特に「お布施の金額や意味」なんか話題としては注目されますよね。

両者の立場をどちらも尊重し、丁寧に扱いながら非常にバランスのとれた視点で分析されていると感じました。

お坊さんが真面目に法務をこなせばこなすほど、お寺の事を考えて動けば動くほどその真面目さが「社会の常識」と外れていく方向に働いてしまうような、お寺という仕組みが持つ構造的な問題、世襲制がもつ問題点などが丁寧に取材されてまとめられています。

膨大なフィールドワークと取材によって非常に客観的、そして社会学的に寺院を取り巻く状態を分析している良書だと思います。

▼2016年7月1日よりkindle版も出版されました。

世間の感覚とお坊さんという立場、両者のいい分のずれ、そしてこれからのお寺のあり方について改めて考えさせられる1冊でした。

葬式にお坊さんに来て欲しくない!と思っている人。

うちの檀那寺ははずれやわ〜とか、お坊さんに対して不信に思っている人。

一般人にはお寺の苦労は理解してもらえない!と思っているお坊さん。

どちらの立場で読んでも学びのある本だと思います。

個人的に心にとどめておきたいこと

この本の中で一般の方がこたえたアンケートが掲載されていました。その中に、

宗教者は、一緒に悩むために世間の下世話なことに片足は突っ込んでなきゃいけないと思うけど、両足突っ込んでるような感じになっちゃう・見えちゃうってのはアカンのではないか、と思うわけ。地域共同体に馴染んだ存在でいながら、常にどこか「まれびと」としての存在感が必要なんだと思う。

っていうのがあって、お坊さんとしてこれは忘れてはいかんと思ったのです。

言い換えたら「品」とか「わきまえ」とでもいいましょうか。

そういうものを忘れず、「いいお坊さん」になれるようがんばります。

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